分子修飾発光性ナノスフェアの選択的凝集を利用したバイオアッセイ





 金コロイド(AuNP)、半導体微粒子(Qdot)や高分子の超微粒子のバルク材料とは異なる様々な性質が注目されるようになり、そのサイズ(nmからμm)、表面状態など様々に異なるものを調製、または容易に入手できるようになった。これらの超微粒子表面に核酸や特定のタンパクなどを固定化すると、固有のバイオアフィニティーにより、これら超微粒子の凝集を自在に制御できると考えられる。これをバイオアッセイやユニークなナノ構造体の構築に応用できる可能性がある。中でも有機高分子からなるナノスフェアは1)表面構造(官能基)に多様性があるために表面修飾法を選ばない、2)分散状態ではいわゆる通常の透明な『溶液』状態であり、可視光を散乱しないがある種の刺激により容易にμmサイズの凝集体に成長し、光散乱、顕微鏡観察など様々な手法でこれをモニターすることができる、などの優れた特長がある。

 Rred)、Ggreen)、Bblue)3色の異なる蛍光色を有するナノスフェアにそれぞれユニークな塩基配列のDNAを固定化した。これらDNA固定化ナノスフェアの混合溶液に添加された一本鎖DNA(ターゲット)は相補的なDNAの固定化されたスフェアのみを選択的に架橋し、対応する色で発色する凝集体を与えた(図)。すなわち、WT-DNAは黄色、Mut-DNAはマゼンタで発光する凝集体を形成した。これは、それぞれRGRBスフェアが選択的に架橋された結果である。もちろん、両DNAの等量混合サンプルはRGB全てのスフェアを架橋するために白色の発光色をもつ凝集体を与え、本系により溶液中で非常に簡便にアレル解析を行えることがわかった。

 またこの系の検出原理には一般性があるので遺伝子に限らず同時多色イムノアッセイに応用することも可能であった。Rスフェアに抗原性ペプチドabGスフェアにはbcをそれぞれ化学修飾した。両スフェア混合溶液に、抗a抗体を添加すると赤い凝集体、抗c抗体を添加すると緑の凝集体、抗b抗体を添加すると両スフェアが架橋された黄色い凝集体を観察することができた。